金与正氏、米韓の対北朝鮮合意を非難 より深刻な危機につながると

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画像説明, 朝鮮労働党中央委員会の要職にある金与正氏は、実兄の正恩総書記への影響力を持つとされる

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の実妹で有力者の金与正(キム・ヨジョン)氏は、米韓首脳が合意した「ワシントン宣言」について、より深刻な危機につながるものだと4月28日付の談話で警告した。

アメリカのジョー・バイデン大統領は26日、韓国の尹錫烈(ユン・ソンニョル)大統領との会談で、米核武装潜水艦の韓国への定期派遣や、北朝鮮に対するアメリカの核兵器使用計画への韓国の関与を認めた。

韓国はその見返りとして、自国が核兵器を開発しないことに合意した。

与正氏は、「ワシントン宣言」と呼ばれるこの合意に言及し、「われわれは、核戦争抑止力の向上と、特に抑止力の第二の任務にさらに完璧であるべきだという事実を改めて確信した」と述べたと、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は28日に報じた。

「敵の戦争演習の熱狂に比例し、我々の自衛権行使も増大するだろう」

そして、今回の動きは「最も敵対的で侵略的な行動意志が反映された極悪な対朝鮮敵視政策の集約化した所産として、北東アジア地域と世界の平和と安全を一層危険にさらす結果を招くであろうし、間違いなく歓迎されない行為となる」と警告した。

朝鮮労働党中央委員会の要職に就いている与正氏は、兄・正恩氏への影響力を持つとされる。

「ワシントン宣言」

バイデン氏は韓国との合意を歓迎し、北朝鮮の攻撃を抑止するための同盟国間の協力を強化するだろうと述べた。

尹氏は、核兵器を含む軍事力を用いた攻撃を抑止し、アメリカの同盟国を守るというアメリカの取り組みである拡大抑止を強化する「前例のない」一歩だと述べた。

これに対し中国は、「意図的に緊張をあおり、対立を挑発し、脅威を誇張するもの」だと警告した。

今回の合意では、アメリカは核を搭載可能な爆撃機などと共に、核武装した潜水艦を40年ぶりに韓国に派遣し、防衛へのコミットメントをより明確にする。

米韓はまた、核・戦略計画をめぐる問題を議論するための、核協議グループを発足させるという。

韓国の政治家たちは、北朝鮮に対するアメリカの核兵器使用計画をめぐり、韓国のさらなる関与を認めるよう、長らく米政府に要求してきた。

米韓双方は、北朝鮮がもたらす核の脅威への懸念を募らせている。北朝鮮は韓国を標的にできる戦術核兵器の開発や、米本土に届く長距離兵器の精度の向上に取り組んでいる。

アメリカは米韓相互防衛条約に基づき、韓国を防衛する義務を負っている。必要であれば核兵器を使用するとも、過去に公言している。しかし韓国側はこの約束に懐疑的で、国内では自国の核開発計画を推進するよう求める声も出始めている。