オープンAI、米政府との契約を変更 軍事利用について批判され

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画像説明, オープンAIのアルトマン最高経営責任者
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人工知能(AI)開発企業の米オープンAIは2日、自社技術の軍事機密利用をめぐって米政府と結んだ「便乗的でずさんな」契約について、内容を変更することで合意したと発表した。

オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者は、アメリカ国民を対象としたスパイ活動での自社システムの利用を明確に禁じる文言などを契約書に追加すると、ソーシャルメディア「X」に投稿した

AIの軍事利用をめぐっては、オープンAIの競合企業の米アンソロピックが、自社のAIモデル「クロード」を大規模監視や完全自律型兵器に使うことに対し懸念を表明。米国防総省と仲たがいした

これを受け、同省とオープンAIの契約が2月27日に表面化した。

その後、AIの戦争利用や、政府と民間企業がどれだけ権限をもつのかなどが、問題視されている。

オープンAIは2月28日に発表した声明で、国防総省との契約について、「機密扱いのAI導入に関する、過去のどんな契約よりも多くの安全装置を備えている。アンソロピックによる契約も含めてだ」と主張した。

ところが3月2日になり、アルトマン氏はXへの投稿で、契約に変更が加えられていると説明。オープンAIのシステムが、米国民を対象とした「国内での監視に意図的に利用」されないことなどを確実にしているとした。

この変更により、国家安全保障局(NSA)を含む情報機関は、契約への「追加変更」なしには、オープンAIのシステムを利用できなくなるという。

アルトマン氏は、同社が「金曜日(2月27日)にこれを発表しようと」急いだのは間違いだったと説明。

「この問題は極めて複雑で、明確なコミュニケーションが求められる」とした上で、「私たちは本心から、事態を鎮静化させ、はるかに悪い結果を避けようとしていた。しかし、単に便乗的でずさんに見えたと思う」と書いた。

チャットGPTの削除が急増

オープンAIは、国防総省との協力を発表してから、ユーザーの反発に直面している。

市場調査会社センサー・タワーのデータによると、オープンAIが国防総省と提携したと報じられた2月27日以降、同社が開発した対話型AI「チャットGPT」を削除するユーザーが急増している。

その一方で、アンソロピックの「クロード」は、米アップルのアップストアのランキングで首位に躍進した。日本時間4日夕の時点で、その地位は変わっていない。

アンソロピックは米政府との協議で、完全自律型兵器の開発に自社技術の利用を認めないという、同社の「レッドライン」原則を撤回することを拒んだ。そのため、ドナルド・トランプ政権は「クロード」をブラックリストに登録した。

BBCが提携する米CBSによると、こうした経緯にもかかわらず、アメリカとイスラエルによるイランとの戦争で、「クロード」が利用されていることが明らかになっている。3日時点でも利用が続いているという。

国防総省は、アンソロピックとの関係についてコメントの要請に応じていない。

AIは軍事分野でさまざまに利用されている。兵たん業務の効率化や、大量の情報の迅速な処理などがその例だ。

アメリカ、ウクライナ、北大西洋条約機構(NATO)はいずれも、米企業パランティアの技術を利用している。同社は政府機関向けに、情報収集、監視、テロ対策、軍事目的のデータ分析ツールを提供している。

英国防省も最近、パランティアと2億4000万ポンド(約500億円)規模の契約を締結した。