ポーランド政府、ロシアのミサイルが「ポーランド領空に入ってからウクライナへ向かった」
アダム・イーストン、BBCニュース(ワルシャワ)

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ポーランド軍のヴィエスワフ・ククラ参謀総長は29日、ロシア軍のミサイルが3分近くにわたりポーランド領空を飛行した後、ウクライナ領空に戻ったようだと明らかにした
ククラ参謀総長によると、29日午前7時ごろにロシア軍のミサイルがポーランド国境を越えて約40キロにわたり、ポーランド領空を飛行したという。
29日には、ロシアによる空爆がウクライナ各地に対して相次いだ。ウクライナ政府は、2022年2月24日の全面侵攻開始以来、1日の空爆としては最大規模だったとしている。
領空侵犯した物体をレーダーが捕捉後、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は、緊急の安全保障会議を開いた。
ミサイルがポーランド領内に落下した場合に備えて、警官約200人が現場周辺を捜索している。
ポーランドは北大西洋条約機構(NATO)加盟国。そのため、ミサイルの領空侵犯に対応してポーランドとNATO加盟国の軍機が緊急発進した。
ミサイル爆発の報告はない。国境に近いフルビエシュフ村周辺で、捜索が行われているとの未確認情報もある。
ポーランド作戦司令本部のヤチェク・ゴリシェフスキ報道官は、ポーランド南東部ルブリン県のザモシチ町近くで、未確認物体がウクライナからポーランド領空に入ったと説明した。
ゴリシェフスキ中佐は地元局TVN24に対して、この領空侵犯はロシアがウクライナの主要都市をミサイルとドローンで攻撃していることと関連するかもしれないと話した。
ルブリン県に最も近いウクライナの主要都市リヴィウのほか、首都キーウやドニプロなどへのロシアの攻撃で、30人以上が死亡したという。
ポーランド軍は、ロシアによるミサイル攻撃の監視を継続。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、NATOはポーランドと連帯していると強調し、「事態の注視を続ける」と述べた。
ポーランド政府は、ロシアの挑発行為だった可能性を排除していない。「これが挑発行為あるいは我々の反応を試すものだったのかどうか、確認する必要がある。両方のシナリオを慎重に確認すべきだ」と、スタニスラフ・ウシャテク国防次官はTVN24に話した。
ポーランドの軍事専門家マクシミリアン・ドゥラ中佐はTVN24に、飛行物体は発見されていないため、ロシアのミサイルだと断定するのは時期尚早だとしたほか、レーダーが追跡できなくなったからといってポーランド領空を離れたとも確定できないと指摘した。
ルブリン県のクリストフ・コモルスキ知事はソーシャルメディアに、「関係諸機関が対応している」として、住民に「落ち着いて待機」するよう呼びかけた。

ロシアがウクライナ全面侵攻を開始して以来、これまで3回にわたりポーランドにミサイルが侵入している。2022年11月には、ウクライナ国境に近いプシェヴォドフ村にミサイルが着弾し、ポーランド人2人が死亡した。ロシアのミサイル攻撃を迎撃しようとした、ウクライナ防空システムのものだった可能性が指摘されている。
昨年12月には、ロシアの「KH55」長距離巡航ミサイルがベラルーシから発射され、ポーランド領内を約500キロ移動後に森林部に落下したとされている。ポーランドの防空システムが当時、この侵入を検知したものの、見失った。落下したミサイルはポーランド中部ブィドゴシュチュ近くで今年4月、通行人によって発見された。
さらに今年5月には、ベラルーシからポーランド領空への物体侵入がレーダーで捕捉された。ポーランド中部リピン近くで見失ったものの、観測気球だったのではないかとされている。









